健康を守る「唾液」のはたらき
八王子市八王子駅の歯医者・歯科・インプラント
デンタルオフィス心です。
皆さんは、普段「唾液(だえき)」のことを意識することはありますか? 食事中に口の中にあふれてくる水分、いわゆる「よだれ」や「つば」のことを唾液と呼びます。あまり目立たない存在ですが、実は唾液は私たちのお口の健康を守るために欠かせない、とても重要な役割を果たしています。今回は、この「唾液」について分かりやすく解説いたします。
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唾液はどこから出ているの?
唾液は口の中にある「唾液腺」という器官から分泌されます。大きな唾液腺は耳の前にある「耳下腺(じかせん)」、あごの下にある「顎下腺(がっかせん)」、舌の下にある「舌下腺(ぜっかせん)」の3つです。そのほかにも口の中全体に小さな唾液腺が分布しています。
健康な成人では、1日におよそ1〜1.5リットルもの唾液が分泌されています。驚くほどの量ですよね。
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唾液の主な働き
唾液にはたくさんの大切な役割があります。その中でも代表的なものを紹介します。
1. お口の中をうるおす
唾液は口の中を常に湿らせて乾燥を防いでいます。口が渇くと話しにくくなったり、食べ物を飲み込みにくくなったりします。唾液は会話や食事をスムーズに行うために欠かせません。
2. 食べ物を消化する
唾液には「アミラーゼ」という酵素が含まれており、でんぷんを分解する働きがあります。口に入れた食べ物を柔らかくして飲み込みやすくするだけでなく、消化の最初のステップも担っています。
3. 自浄作用(汚れを洗い流す)
食べかすや細菌を唾液の流れが洗い流してくれます。これを「自浄作用」と呼びます。唾液がしっかり分泌されていると、むし歯や歯周病の予防につながります。
4. 細菌やウイルスから守る
唾液には「リゾチーム」「ラクトフェリン」など抗菌作用のある成分が含まれています。これらが細菌やウイルスの増殖を抑え、感染症から体を守ってくれます。
5. 酸を中和する
むし歯は、細菌が作り出す酸によって歯が溶けることで起こります。唾液はアルカリ性の力を持っており、酸を中和して口の中の環境を守ります。
6. 歯の修復を助ける
唾液にはカルシウムやリンなど、歯を構成するミネラル成分が含まれています。酸によって歯の表面が溶け始めても、唾液中のミネラルが再び歯に取り込まれ、「再石灰化」が起こります。これにより初期のむし歯を修復することができるのです。
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唾液が減るとどうなるの?
年齢や体調、薬の副作用などによって唾液の分泌量が減ることがあります。唾液が減ると次のようなトラブルが起こりやすくなります。
• 口の中が乾いて話しにくい、食べ物が飲み込みにくい
• 口臭が強くなる
• むし歯や歯周病になりやすい
• 入れ歯が擦れて痛みやすい
• 舌や粘膜に傷ができやすい
このような症状がある場合は「ドライマウス(口腔乾燥症)」の可能性があります。放置せず、歯科医院で相談することをおすすめします。
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唾液を増やす工夫
唾液の分泌は生活習慣によっても大きく変わります。唾液を増やすために、次のような工夫を取り入れてみましょう。
1. よく噛んで食べる
食事中によく噛むことで唾液腺が刺激され、分泌量が増えます。硬い食材や繊維質の多い野菜を積極的に取り入れると効果的です。
2. 水分補給を心がける
脱水状態になると唾液も減ってしまいます。こまめに水分を摂るようにしましょう。
3. 唾液腺マッサージ
頬やあごの下をやさしくマッサージすることで、唾液腺が刺激され唾液が出やすくなります。
4. リラックスする
緊張やストレスが強いと交感神経が優位になり、唾液の分泌が減ります。深呼吸や入浴などでリラックスすることも大切です。
5. 禁煙する
喫煙は唾液腺の働きを弱めてしまうため、禁煙は唾液の分泌を守るためにも有効です。
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唾液は「天然の万能薬」
このように、唾液は「天然の万能薬」とも呼べるほど多くの働きを持っています。普段は当たり前に感じているかもしれませんが、唾液がしっかりと分泌されていることが、お口の健康を守る大きなポイントなのです。
むし歯や歯周病の予防、さらには全身の健康を維持するためにも、唾液の存在を大切にしましょう。もし「口が渇く」「口臭が気になる」といった症状があれば、遠慮なく歯科医院にご相談ください。
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