歯ブラシ以外の清掃方法③
〜舌ブラシ・義歯用ブラシ〜①舌ブラシ舌ブラシによる舌苔の除去は、口臭の予防や味覚の亢進に効果があります。また、口腔機能が低下した時には、誤嚥性肺炎の予防として意義があります。a.種類素材で分けると植毛されたタイプのものと、樹脂によって舌苔をかき出すタイプのものがあります。形態ではTタイプとOタイプがあります。b.使用法歯ブラシによる清掃後に、水で湿らせながら軽くなでるように舌苔を除去します。強くしごくと痛みを感じて、舌表面を傷つけるので注意します。刺激の少ない部位から徐々に始めます。気持ち悪くなる場合は頭を前屈させると楽です。水を半分ほど入れたコップ内で激しくゆすってブラシを洗いながら使用します。乾燥した付着物の場合は、歯ブラシやスポンジブラシ、ガーゼを用いて水や保湿剤などで湿らせた後、舌ブラシで少しずつ除去します。このとき、除去した付着物を飲ませないよう慎重に行います。使用後は、よく水洗いし、乾燥して保管します。※舌ブラシがない場合には、軟らかめの歯ブラシやガーゼを利用することもあります。②義歯用ブラシ義歯の清掃に用いる専用歯ブラシです。普通の歯ブラシでも付着物は除去できますが、義歯の形態によっては歯ブラシが当たりにくいこともあります。a.使用法義歯の洗浄は、毎食後に行うことが大切です。洗浄の手順は下記の通りです。①義歯を口の中から外します。②義歯に付着した食べ残しなどを水で洗い流します。③流水下で、義歯用ブラシを使用してしっかり付着物を除去します。両手を使って操作しますが、片方の手が使えない場合は、吸盤付き義歯用ブラシを洗面台の蛇口下に取り付けて、こするように動かして洗います。時には、義歯用研磨剤を使用するのも良いです。ただし、研磨剤の配合された歯磨剤は義歯を傷つけてしまうので使用しないようにして下さい。④口の中の清掃を行う⑤義歯は就寝前に清掃後、義歯洗浄剤を溶かした溶液の入った容器に保管し、化学的に洗浄します。通常は5分〜60分程度で付着物を除去できますが、一晩おくといっそう洗浄効果が高まります。⑥洗浄剤使用後は水道水でよくすすぎます。⑦義歯を口の中へ戻します。☆オマケ☆近年、誤嚥性肺炎の予防、摂食・嚥下リハビリなどのために、口腔ケアが積極的に行われるようになってきており、そのための用具の種類も多くなってます。例えば、プラスチック製の洗浄ボトルは、水の勢いを調節しながら洗浄することができるので便利です。ゆすぐのが難しい方には、給水吸引ブラシの使用や吸引装置を利用することもあります。咽頭部についた痰の吸引にも有効です。